仏教について
2020.07.09 掃除について
西栄寺 東京別院
榎本 勝彦
【お寺さんの会】ココロの勉強ガイド|掃除について
お寺はといいますか、僧侶は掃除が基本です。
「掃除に始まり、掃除に終わる」といわれるほどです。
境内の掃除から建物の掃除、やるところは尽きませんし、やった後からすぐまた汚れてしまうので掃除は毎日こまめにしなければなりません。
今から二千五百年程前に、お釈迦様の弟子である僧侶がいました。
彼は物覚えが悪く、朝聞いたことも夜には忘れてしまうような男でした。
更には自分の名前すら覚えられず、背中に自分の名前を書いてもらい、名前を尋ねられると、背中を見せて名前を教えるほどでした。
そのような事から他の弟子達からは、馬鹿にされる日々でした。
彼自身も自分が情けなくなり、お釈迦様のところへ行き、僧侶をやめたいと相談をします。
するとお釈迦様は、何にも心配いらないと言い、彼に一本のホウキを持たせ「掃除をしましょう」とだけ言いました。彼はそれから何年も何年も掃除をし続けました。
ある日、いつものように庭を掃いていると、お釈迦様が「とても綺麗に掃除していますね。ただ、一ヶ所だけ汚れているところがあります」と言いました。彼は不思議に思い「どこが汚れていますか?」と質問しましたが、お釈迦様は黙っています。
疑問に思い考えながらもずっと綺麗にすることを心掛けて掃除をし続けました。それからまた何年か経った時に彼は、はっと気が付きました。
汚れていたのは自分の心だったと悟ったのです。
その時、お釈迦様が彼の後ろに立っていて「これで全て綺麗になりましたね」と言いました。
最初は掃除も下手で、ただ一生懸命に掃除していた彼も、しだいに掃除に慣れてくると、汚れに気がついたり、掃除してもすぐにまた汚れてくることや、綺麗に掃除したと思っても、見方や方向など角度を変えて見ると汚れがまだあることに気がつき「どんなに掃除しても綺麗にならないものだ。これはもしかすると自分の心もそうではないのか」と、気づきはじめたのです。
掃除とは自分の心を掃除する事にも繋がっているということを悟ることが出来たのです。
目に見えるところの掃除はもちろん、心の掃除がとても大切なんですね。綺麗に磨き続け終わることのない、終わりのない掃除を一緒にしましょう。
明日から?いいえ、今日からです。
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